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第19章 恋の切なさ

夏休みが終わりそうな頃、スタジオに華とリツ、そして大きな荷物を抱えた春さんがやって来た。早速始まる小さな食事会。

「華ちゃんとリツちゃんはメンバーの中で誰のファンなの?」

キーボードのリュウがニヤニヤしながらアイツに聞いた。

「皆さん全員大好きです。」「みんな…です♪」

ふたりとも同時に、答えた。

「なぁ~んか優等生の答えで、面白く無いなぁ。」

リュウがつまらさそうに呟いてBLTサンドを摘まんだ。

「あーあ。夏も終わりかぁ…どっか行きたかったなぁ。」

トモキが溜息をついた。

「あら♪じゃぁ私の家に来れば良いじゃない♪葉山にあるのよ。メンバーの皆さんの人数だったら泊まれるわ。スタジオもあるし♪」

春さんがニコニコしながら笑った。

「マジで?」

その話に喰いついたのは、トモキだった。

「ええ…都合の良い時にいつでもいらっしゃい♪マネージャーさんに住所渡しておくから。」

「2泊3日ぐらいで良いから合宿したいな。春さんの美味しいご飯を食べたい。」

俺といつもぶつかり合うリュウは、何故か春さんに良くなついていた。

…なんか…腹が立つ。

「あら良いわよ♪なぁんでも好きなもの作ってあげる。」

「わっ♪春さんの所に来る時には、わたしもリツも行っても良いでしょ?」

華は、嬉しそうに俺を見た。

「俺は…良いけど。お家の人とか大丈夫なの?ほら…あんなことがあったから。」

俺は慌てて言葉を付け足した。

「春さんが居れば大丈夫♪」

「あなた達が来るって華の両親に言わなきゃ済む話だから。私の家だし。」

春さんは、にっと笑った。

…流石だ。

話はとんとん拍子に進んだ。華もリツも興奮していた。

「プールもあるし、海も近いの。それにジムも♪」

…そうだあの日の想い出。

俺は昔の事を何か思い出すのではないかと思った。

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