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第16章 カレントが運んだ切ない夜

「う…ん。」

僕は塩と糖分を補給できる飴と水を華に飲ませた。暫くすると顔色も戻り、いつもの華に戻った。雷が地響きする程になっていた。

「何かラジオを掛けて…怖いから。クラッシックが良い。」

華は耳を塞ぎながら僕を見たので思わず笑ってしまった。

「ラジオ掛けてもそれじゃあ聞こえないんじゃない?」

雨が降り始めるとだんだんと冷えて来た。僕は身体を擦っていた。

「真啓…寒いんでしょう?」

華が動くたびに、保温シートがガサガサと音を立てた。

「僕は大丈夫だよ。」

「真啓も一緒に入ろう。」

まるでミノムシのような華が無邪気に言って、ゴソゴソとスペースを作った。

「でも…。」

…どうしよう。

僕は既にドキドキとし始めた。毛布と保温シートを持ち上げ華は待っていた。

「早く…早く。寒くなっちゃうから!」

華は僕を急かしたけど、大変なことになってしまうような気がした。

「僕は大丈夫…だから。遠慮しておく。」

寒さはやせ我慢出来るけど、あの中に入ったら我慢できない事が起きるのが怖かった。

…僕は我慢出来る自信が無いから…駄目だよ。

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