
His←♥→I
第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~
やめろと言えない。
はっきりと否定する言葉がどうしても俺の口から出て来ない。
智「んん...」
寄せた眉も、嫌悪で寄っている訳ではなくて、翔の与える刺激に震えているだけだ。
翔「ここ、気持ちいいんだ?」
智「っ、は...」
翔だって俺の寄せた眉の意味を分かっている。
だから、ちょっと待ってと制してもその行為を止めようとしないんだ。
翔「そんな顔、ドキドキして大変だよ...」
ピクッと俺が震えると、しめたとばかりにそこを執拗に攻める。
温かくぬるついた舌と唇で胸の突起を愛撫されて、眉が歪むのなんて当たり前だろ。
智「ふ...」
その俺の歪んだ顔を見て、翔はドキドキすると言う。
智「ぁ、はぁ...っ...」
俺は顔なんて見なくてもドキドキして仕方が無いのに。
翔「冷たいから、ちょっと我慢して...」
智「...っ」
翔の愛撫に翻弄されてぼーっとしてたら、俺の後ろに冷たい感触が広がった。
智「っ、な、なに...」
翔「ポリアクリル酸ナトリウムだよ」
智「へ...?」
その冷たい感触はヌルヌルしてて、翔の指でくるくると撫でられるとすぐに体温と同化した。
翔「体に害は無いから安心して」
智「ぁ、しょ...っ...」
そんな事を聞いたんじゃない。
それは何かと、一体何をしようとしてるんだと聞いてるんだ。
智「ちょ、待って...」
翔「ローションみたいなものだよ。使った事あるでしょ?」
智「じゃなくて、そ、そんなとこ...っ」
使った事無い訳じゃないけど。
じゃなくて、どこを触ってるんだと。
翔「...男同士の愛し方、知らない?」
それも、知らない訳じゃないけど。
智「っ、ん」
聞いた事はあるかなって位で、ちゃんとは知らない。
智「だ、駄目だよ...」
そんな話、軽くしか聞いた事なかった。
だって自分には関係無いと思ってたから。
智「っあ、翔...っ」
なのに今まさに自分の身に降り掛かろうとしている。
智「...っ、く」
知識も何も無いんだ。
そんな場所、触られた事だって勿論ない。
困惑の最中、漸く捻り出した言葉が“駄目だよ”。
その一言でも、口から出すのが精一杯だったんだ。
