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第1章 SO~小人×一般人~進撃の小人編~



智「ふ...、ぁ」


もう駄目だよと制する俺の言葉を無視して翔は俺の身体に吸い付く。


智「は、ぁ...、しょ...」


太い血管の上から血液を吸い上げるかのように、翔は俺の首筋に吸い付き離れない。
その熱くじんわりとした感覚が、俺の頭を痺れさせる。


翔「ふふ、気持ちいい...? 目がとろんとしてる...」

智「ぁ...」


言葉も出て来きやしない。


翔「少しは、寂しさも紛れる...?」

智「え...」

翔「ずっと、寂しい顔してたでしょ」


翔は急に真顔になって俺を見た。


翔「柔らかい笑顔の下に、寂しい顔隠してた...」

智「そんなの、隠してないよ...」


寂しい顔なんて、してない筈だ。


翔「俺が埋めてあげるよ」

智「...っ」

翔「彼女の事なんて、今日で忘れればいい...」

智「ぁ、翔...」


本当に俺が寂しい顔をしていたのか、それとも元に戻る翔が名残惜しくてそんな顔をしてしまっただけなのか。
どっちかは自分でも分からないけど、翔は自信たっぷりに言ってのける。


翔「素敵な笑顔を持ってるんだから、そんな顔しないで...」


俺の耳元で囁く声は、凄く官能的に聞こえた。
熱い息と同時に吹き掛けられる低い声は、俺の脳に直に響いて。


智「だからそんな顔してないって...」


俺の頬をそっと掴んで翔は覗き込む。
じっくりと、俺が嘘をついてないか確かめるようにしっかりと顔を見るんだ。


翔「ふふっ、困ってるの?」


分かってるじゃないか。
そうだよ、俺は困ってるんだ。


翔「俺の事、嫌になった...?」


笑ってたのに、急に眉をハの字にさせて。


智「別に、嫌じゃないよ...」


そんな顔を見せられて、嫌と言える訳が無いだろう。


智「ん、ふ」


だからといって、勝ち誇った顔をするな。


智「んん、しょ...」


お前の事が嫌じゃないと言っただけだ。


智「っふ...」



好きにしていいと言った訳じゃ無いんだぞ。







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