テキストサイズ

BOXルーム

第15章 真相

 それを聞いたるかが、それに応える。


「大丈夫、それはおかしくない。 だって、あんた登録名にシーモンと書いてハンドルネームを下里勉って書いてたし」


「えっ!?」と、発しただけで下里は何も言葉が出なかった。


 松がその間を申し訳なさそうに入り込む。


「あの……もう、下里さんのコーナーはよろしいでしょうか?」


「はい……すいません」


 松は下里から心のバトンを受け取った。


「さて、今までのことは無かったことにしましょう。ここからはこちらにいる刑事さんに、その広海事件の真相を語ってもらおう」


 松が桃太郎を前に押す。桃太郎はゴクリと喉を鳴らし、再びあの部屋にいた時の刑事の演技の顔になった。


「え……刑事さん!!」


 ももっちは顔を俯かせる。


『ヤバい……本物じゃん!! ふざけてしゃしゃり出た演技と言えど、こっちは偽物になりすませてんだからバレたらヤバい』


 そう思い、さりげなく3歩下がった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ