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大切な人へ

第17章 雨の終業式


『はぁ...温かい』

井川くんが入れてくれたホットコーヒーを
ベットの上で毛布にくるまって飲んでる

エアコンを入れてくれてるけど
やっぱり寒くて私の顔が真っ白だったんだって


『...元カノさん可愛かったね』

ちらっと彼を見ると目をそらされた

あまり考えてなかったけど
彼はモテるのかもしれない...

すっきりした顔立ちで身長も高くて
2年でピッチャーらしいし


『井川くんてモテるの?』

「どうでもいいっしょ
つーか...モテなさそうって思ってた?」

『そうじゃないけど...知り合ってから
ずっと彼女いないしイメージなかった』

「野球やってるだけで寄ってくるのもいるしな」

『でもあの子は..』

「やめろって!」

少し大きな声に制止される

「想ってもらっても答えられないもんも
あるって、お前も言ってただろ」

『そうだね...ごめん。』

「1年の頃は好きで付き合ってたけど
...仕方ないだろ」

井川くんの気持ちを知ってるだけに
彼の切ない表情に私も切ない...


「あ。そのベットでも何回もシタけど」

......‼
そんなこと言わないでよ!!

想像してしまいそうで
慌てておりようとして...

『わっ‼』「あっぶねー....セーフ」

毛布に足をとられて頭から落ちそうだった


『ごめ...っ...』

受け止めてくれた彼の肩に手をかけて
顔をあげると目の前に彼の高い鼻が...

あと数センチでキスしてしまいそうな距離に
固まってしまった

ぐいっ...

肩を押されて彼が離れていく...

「気をつけろよ どんくさい」

ごめんって言いながら
ドキッてしてしまった罪悪感が残る...



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