
Liar Game 〜1×5〜
第12章 悪魔VS悪魔
ピンポーン
ガチャンッガチャッ
櫻井「お疲れ、ニノ。」
二宮「どうも。」
直接対決する相手は同じグループの二宮和也。
普段は人懐っこいけど俺の盗聴を見破るなど、結構勘の鋭い奴だ。
油断はできねぇな…
櫻井「お腹すいただろ?久しぶりにごちそう作ったから食べてよ。」
二宮「ごちそう?珍しいですね。」
櫻井「ニノが来るって思うとはりきっちゃってさ。」
二宮「そうですか、それは嬉しいですね。」
ニノは俺に向かってにっこりと笑う。
櫻井「さぁさぁ、冷めないうちに食べてよ。」
二宮「その前にワイン飲みません?」
櫻井「ワイン?」
二宮「買ってきたんですよ、これ。」
グラン・エシェゾー
高級なワインだな…
櫻井「そっちこそ珍しいね、ワインの手土産なんて。」
二宮「翔ちゃんに会えると思うと嬉しくてつい。」
櫻井「えぇ?普段会ってるじゃん。」
二宮「それは仕事場ででしょ?プライベートで会うのが嬉しいの。」
櫻井「へぇ…」
可愛いこと言うじゃん。
なーんてね、一切思わない。
むしろ不信感が増す。
二宮「さぁ、飲みましょ。」
櫻井「メシ食いながらでもよくない?」
二宮「…えぇ、構いませんよ。」
再びニノはにっこりと笑う。
櫻井「じゃあワイン預かるよ。」
二宮「お願いします。」
俺はニノからワインを受け取り、グラスに注いだ。
櫻井「…ん?」
1994年…
随分中途半端な年代だな…
二宮「どうしたの?」
櫻井「いや、何でもない。」
二宮「なーんだ、てっきり毒でも仕込んでるのかと思った。」
櫻井「ははっ、冗談キツイね。」
二宮「あなたならやりかねないので。」
櫻井「へぇ…面白いこと言うね。」
二宮「ありがとうございます。」
こいつ…俺を挑発してるのか?
面白い。
どっかのバカといるよりも全然退屈しないよ。
櫻井「乾杯しようよ。」
二宮「えぇ。」
櫻井「じゃあ、乾杯。」
二宮「乾杯。」
チンッ
こうして、俺達の晩餐会が始まった。
