テキストサイズ

異彩ノ雫

第274章  二ノ月 Ⅲ




時が醸す命の水
その囁きを聞きながら
彼は大きく伸びをする

── 今年の出来はどんなものか…

独り言は闇に溶け
見上げる小窓に三日めの月が笑う

酒蔵とともに
生きた月日に思いをはせれば
淡く浮かぶ壁の爪痕…

午前0時
長い尾を上げ
いつもの夜へと彼は歩き出す







【ウィスキー・キャット】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ