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異彩ノ雫

第271章  一ノ月 Ⅲ ④




しん、と 息をひそめたフロアには

喧騒の名残が散らばるばかり



寄り添うふたつのグラス

話し込むように輪をつくる三脚の椅子

ポワゾンの香りとシャンパンのボトル


消し残したキャンドルライトが影を映す



ただ 過ぎ去るばかりの時のなか

私はワルツを口ずさみ

幻と踊り始める…







【ラストワルツ】


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