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異彩ノ雫

第270章  恋文 (三十九)




夢うつつに伸ばした右手に
触れるぬくもりのない夜を
幾つ過ごしてきたのでしょう


ため息も凍るような窓辺に立てば
あなたの好きなりんごの木を
ひときわ強く風が揺すり
星の明るい空が見えます




今度あなたに会ったとき
ちゃんと笑うことができるでしょうか…







(了)


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