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異彩ノ雫

第265章  一ノ月 Ⅲ




坂道を上りきれば明日が見える

少女に教えたのは誰だったか…

遥か昔を
なぞりながら上る坂は
記憶の中よりもゆるやかで
けれど
乱れる想いに息があがる


ふと 目を上げれば
落ち行く冬の陽に浮かぶシルエット
そう…十年目の約束は
ふたりで見つける明日の風景


僕は君へと手を伸ばす







【坂道】


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