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異彩ノ雫

第265章  一ノ月 Ⅲ




ぱちん…

水切りをしたオリエンタルリリーが

ひときわ高い芳香を放つ


カーテン越しの柔らかな光が

揺れる水面に溶けてゆく



遠く聞こえる風の囁き

きれぎれに響く鳥の声



時が

束の間息をひそめ

胸に薄紫の霧が降る







【百合】


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