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異彩ノ雫

第262章  十二ノ月 Ⅲ ②




深夜ラジオが歌いだしたその曲に
胸が疼く
懐かしさが、満ちてくる

懐かしい……?

すくい上げれば
頬を濡らした記憶ばかりが
手に残るものを…


吐息とともに
ガラスに映った私に向かい
そっと呟く

あの夜を
私は
越えることができたのだろうか







【memory】


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