テキストサイズ

異彩ノ雫

第250章  十ノ月 Ⅲ ③




グラスに満たした氷を

ひとつ

がりり、と噛み砕けば

何処か北の遠い国の風が吹く



スピーカーから流れる

気だるいメロディは

人けの絶えた海を映し

かすかな潮騒を響かせる



カウンターに

伏し目がちな時が たゆたう…







【止まり木】


ストーリーメニュー

TOPTOPへ