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異彩ノ雫

第250章  十ノ月 Ⅲ ③




思いの外 強い日射しに目を細め

歩く足元の影は濃い


折々に あなたと歩いた道を

今 ひとり…



── あの花

ムラサキゴテンというんだよ…



自分の言葉が

陽炎のように立ちのぼり

花の色を滲ませる



想い出はいつも

昨日の記憶より鮮やかで…







【ムラサキゴテン】


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