
天然執事はいかがです?
第2章 菜月の日常
男子と先生のやり取りで話はどんどん授業から反れ、パンツの種類やら、先生の子供の話、過去の女子生徒からBL本を何度も貸してもらったトカ……
そんな話で一時間が潰れた。
さすがに真面目な生徒でも、アクビ一つが出る程度にはなっていた。
クラスの背のデカイ野球部員が号令をし、午前の授業は終わった。
午後は始業式にLHRだ。
担任の松ちゃんの話は長いし、用件が全く伝わらない。
「舞……売店行こ……」
重い瞼を擦りながら、私は舞弥の側に行った。
「お弁当くらい作ってもらえばいいのに」
「舞弥、そうは言うけどね……」
あれは小学校の初めての遠足の時。
料理長が張り切って私のためにお弁当を作ってくれた……
が、しかし中身が……
最高級のステーキだとか、高級フルーツがデザートとか……
「とにかく皆のお弁当見て、私浮いてるって思ったんだよね…
私の家って普通じゃないんだってその時気付いたかも」
私は階段を降りながら話した。
「私もそのお弁当はヤだなぁ…」
隣で舞弥も共感してくれた。
「でしょ!?だから習い事は武術で充分!!ピアノとかヴァイオリンとか要らないよ。
お嬢様とかもホントは嫌だし」
「うんうん。菜月ってお嬢様ってカンジしないもんね。毎日チャリ通とか、授業中爆睡とか。私のお嬢様のイメージぶち壊しだもん」
「それは誉めてるの…?けなしてるの…?」
「誉めてるに決まってるじゃない♪」
どーだか……
菜月は横目で舞弥を見た。
