
天然執事はいかがです?
第2章 菜月の日常
予鈴が鳴り響き、舞弥と菜月は着席し、ちゃんと前を向いた。
四時間目は国語だ。
国語担当の古川(コガワ)先生は何故か、下ネタに走る傾向が良く見られる。
私はそういうの良く分からないから、オモシロクナイ。
……だから寝る。
机に再び突っ伏し寝息をたてる菜月を見て、舞弥は他の人に見つからないように小さくため息をついた。
……困った子だわ。
足を伸ばし、小さく二回菜月が座るイスの裏を蹴ってみる。
だが菜月はびくともしない。
それどころか、どんどん夢の扉を開き、夢の世界へと一直線のようだ。
起きろッ!!
そう思いながらガツンと蹴ったが、それでも起きない。
止めよ……
舞弥は菜月から視線をずらし、黒板を見た。
黒板には"文"と書かれ、下ネタ話の真っ最中だ。
古川先生は選択科目の習字も担当している。
そのときの話の続きのようだ。
舞弥は音楽選択者なので、知らない。
「文の中の空いてるとこあるでしょ?それをTバックみたいな形をイメージして書けば、上手く書けるんです!!」
変態顔でそんなこと言うもんだから、舞弥まで吹いてしまう。
菜月のように興味のない者は、小説を読んだり、机に落書きしたり、菜月と同じく寝ていたりと、自分の世界に入っている。
