
愛は要らないから…
第9章 恋愛感情
三時間目が終わり
あと一時間でお昼休憩…
やっとだ
あともう少しの辛抱!
次の授業は理科で
みんな化学室に移動しなければならない
俺も教科書やら準備して行かなきゃなんだけど
その前にトイレ行ってこよ
机に持っていくものを置いて用を足した
再び教室に戻るともう誰も……
いや、一人
荒井勇太がいる
みんないなくなっておろおろしてる
「化学室一緒に行こ?」
俺は自分の荷物をサッと取ると
荒井の側に寄って
戸惑ってる仕草がおかしくて
つい顔が緩ませながら言った
「!…うん!」
何がそんなに嬉しいのか
ご褒美をもらった子供みたいにパッと顔を輝かせてる
「こっち、ついてきて」
俺は荒井を横に連れた
案外大丈夫だと思ったのに
一人にされるんだな…
まあ、移動教室じゃバタバタするし
しょうがないのかな
