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なぜ?

第12章 秘密2

俺達は、無言で家まで歩いた。

俺とミンヒョンが並んで歩き、名津子が後ろを着いてきた。
頭の中は轢き逃げと流産のことでいっぱいだ。

なぜ黙ってた?俺はそんなに信用できないか?と名津子を責める気持ちと、
何で名津子が話せるような存在にならなかったんだと、自分を責める気持ちが葛藤した。

ピピ。
ん?LINE?
スマホを見れば、横にいるミンヒョンからだ。
「絶対に怒るな。」
…ごめん。無理かもしれない。



知られた。一番知られたくない人に、一番知られたくないことを知られた。
きっとジュノさんは許してくれない。隠し事はしないっていう約束を破った。
裏切った私を許すはずがない。



家に着き、それぞれ無言で部屋に戻る。
俺はいつものように名津子の部屋に戻る。
ドアを開けて中に入っても、名津子は廊下に立ったままだ。
「入らないの?」
「…」
名津子が部屋に入ったのを見てドアを閉めた。

「座れば?」
名津子がソファに座り、俺はベットに座った。

どれだけ無言のまま時間が流れたんだろうか?
俺は無意識にため息をついた。

「ごめんなさい。」
「何が?」
「ごめんなさい。隠しててごめんなさい。」

名津子は下を向いたまま、俺に謝罪を繰り返した。
「なあ、約束したよな?隠し事はしないって。謝ってすべて水に流すつもり?俺って信用できない?話したくない?」
「違う。言えなかった。ジュノさんに嫌われたくなかった。」
「だから、俺のこと信用してないから、そう思うんだろ?俺ってそんなに心が狭く見える?名津子のそばにいるって言ったよな?離れないって言ったよな?何があっても絶対にそばにいるって!!」
俺の言葉はどんどんキツくなり、名津子を責め立てた。
言い過ぎだって思ってるのに、言葉は止まらなかった。
名津子が泣きそうになってんのに、止められなかった。

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