
なぜ?
第12章 秘密2
コンサート終了後、夜食を食べていかないかというママの言葉に俺たちは悩んだ。
名津子のところに早く帰りたいけど、無下に断るのも失礼だし。
「えっと…」
言い淀んでいるうちにテーブルがセットされ、断りきれずに席についた。
「うちの常連さんが、あなたたちのファンなのよ!名津子ちゃん!ちょっと来て!」
ママに呼ばれて名津子が厨房から出てきた。
「戸田名津子ちゃん。よろしくね!」とママに紹介される名津子。
「はじめまして。戸田名津子です。」
顔を上げニッコリと笑う名津子は、まったく俺たちとの関係を匂わせなかった。
「名津子ちゃんも一緒に座らない?」
「あっごめんなさい。まだ片付けが終わってなくて…」
「そう?早く終わらせて来てね!」
俺たちはママと一緒にテーブルを囲んだ。
「彼女、常連さんなの?」
ミンヒョンは名津子とは初対面だというスタンスで話を進める。
「そうなの。良い子でしょ~。」
ママは俺たちとの共通の話題ができて、嬉々として話出した。
「うちの店ね、ライブが終わってからバーになるのよ。CDでも流しときゃいいんだけど、それも味気ないなって思ってたら、名津子ちゃんがピアノ弾いてくれたの。すっごく評判良くって、それから名津子ちゃんが来る度にお願いしてたのよ。」
「…してた?今はしてないの?」
「うん。……名津子ちゃん、帰る時に事故に遭ったの。それからは…ねえ。」
「事故?」
「そう、ひき逃げ。結局犯人は捕まってないし、流産しちゃうし、散々よね~。」
「…流産?」
厨房から出てきた名津子と目が合った。
名津子の目が、初めて見る悲しい目になった。
名津子のところに早く帰りたいけど、無下に断るのも失礼だし。
「えっと…」
言い淀んでいるうちにテーブルがセットされ、断りきれずに席についた。
「うちの常連さんが、あなたたちのファンなのよ!名津子ちゃん!ちょっと来て!」
ママに呼ばれて名津子が厨房から出てきた。
「戸田名津子ちゃん。よろしくね!」とママに紹介される名津子。
「はじめまして。戸田名津子です。」
顔を上げニッコリと笑う名津子は、まったく俺たちとの関係を匂わせなかった。
「名津子ちゃんも一緒に座らない?」
「あっごめんなさい。まだ片付けが終わってなくて…」
「そう?早く終わらせて来てね!」
俺たちはママと一緒にテーブルを囲んだ。
「彼女、常連さんなの?」
ミンヒョンは名津子とは初対面だというスタンスで話を進める。
「そうなの。良い子でしょ~。」
ママは俺たちとの共通の話題ができて、嬉々として話出した。
「うちの店ね、ライブが終わってからバーになるのよ。CDでも流しときゃいいんだけど、それも味気ないなって思ってたら、名津子ちゃんがピアノ弾いてくれたの。すっごく評判良くって、それから名津子ちゃんが来る度にお願いしてたのよ。」
「…してた?今はしてないの?」
「うん。……名津子ちゃん、帰る時に事故に遭ったの。それからは…ねえ。」
「事故?」
「そう、ひき逃げ。結局犯人は捕まってないし、流産しちゃうし、散々よね~。」
「…流産?」
厨房から出てきた名津子と目が合った。
名津子の目が、初めて見る悲しい目になった。
