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なぜ?

第15章 訪問者2

「名津子ありがとう、もういいよ。」
名津子の顔を外し、立ち上がらせ、抱きしめた。

俺は口に水を含み、名津子に口移しで与えて、口をゆすがせた。
「もう精子の味はしない?」
「うん。」
「じゃあ、おいで。」
名津子を抱き上げ、ベットに寝かせた。

「どうやって入ってきた?」
仰向けの名津子に覆い被さり、頭を撫でてやりながら訊くと、俺の唇に指を当てた。

「ここだと、隣の部屋のテギョンさんに聞こえちゃう。」
そういうと名津子は起き上がり、俺の手を引き歩き出した。

ウォーキンクローゼット?
扉を開け中に入ると、鏡の横にあるテーブルの上のキャンドルの温かい光が俺たちを包んだ。

「ここね、私の部屋からもジュノさんの部屋からも入れるの。」
「えっ!?そうなの?」
「ほら、あそこの扉。あそこから私の部屋に入れるの。」
名津子が指を指す先にはもう1枚の扉。

「ちなみにこっちのドアは、私の部屋のバスルームに続く扉。」
へぇ~。考えたら俺、名津子の部屋ってベットと、バスルームしか使ったことなかったっけ?そう言えば、バスルームに扉がもう1枚あったっけ?ウォーキンクローゼットに通じる扉だったんだ。
待てよ…俺の部屋から入れるってことは、この前チャンソンが使ってた時って…?

「名津子、この前チャンソンが使ってた時も、入りたい放題だったってこと?」
「やだ、さすがに鍵かけてたわよ。エッチのときに入って来られたら困るじゃない!」
「そうだよな~。じゃあ今回は?」
「ん?開けといた。ジュノさん気づくかな?と思って。でもね、待っててもちっとも来ないから、迎えに来たの。」

そうか!待ってたのか!それならそうとさっさと言えよ!LINEするとかさ~。

ふと横の鏡を見ると、全裸で抱き合う俺たちの姿が写った。
鏡の中の名津子の後ろ姿は、キャンドルの灯りで陰影が際立つ。
その姿を見てると、みるみる復活してきた。

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