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果てない空の向こう側【ARS】

第10章 ワンダフル・ワールド(潤)

ジー「それもそうかもね。君みたいに若い子には合わなかったかもね。マスター、オレンジジュースちょうだい。」

ジーはマスターにオレンジジュースを注文すると、俺に差し出した。

潤「クソッ! 子供扱いするな!」

俺はイラっとして、ワイルドターキーに再び口をつけた。

潤「うっ! ゲホッ! ゲホッ!」

ジー「青年、無理しなさんな。」

そう言いながらジーは俺の前からワイルドターキーのグラスを下げた。

潤「青年青年って何だよ! 俺には潤って名前があるんだよ!」

ジーは目を丸くして、驚いたようにしばらく口を開けていたが、そのあとクスリと笑った。

ジー「あなた、潤って言うの? へー。ふーん。」

潤「何か言いたいことがあるなら、はっきり言えよ…!」

その時、ライブハウスの扉が大きな音を立てて開き、男が入って来た。

「邪魔するで! 神戸警備のもんや。神戸の治安のための協力金お願いするわ!」

いかにもガラの悪そうな男だ。

潤「警備…? 何だ?」

ジー「シッ。ヤクザのみかじめ料の取り立てよ。」

マスターが男の前に出て払わないと言っているが、男は引き下がらない。

「ゴチャゴチャ言わんと払った方が身のためやで!」

マスターは男に蹴り飛ばされた。

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