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短編集2

第3章 万華鏡

それはハンバーグと呼べる形ではなくて、バラバラで味もなくてひき肉炒めになってたけど、俺はそれがとてつもなくおいしかった。




『むりしないで、しんやくん....』


『なんで?おいしーよ。』






それはお世辞なんかじゃない、本心。





一輝が始めて作ってくれた手料理





その日から、俺の好物はずっとハンバーグ。






イライラする、うざいなんて思いながら、俺はいろんな面で一輝の影響を受けている。



俺の中には、一輝との思い出がたくさん刻まれてる。













「んっ.....」








小さなうめき声が聞こえ思わず顔をあげると、重く閉じられていた一輝の瞳がゆっくりと開いた。







「っ!!一輝っ!!」





まだ意識がぼーっとしているのか一輝は数回ゆっくりと瞬きをして俺を視線に捉えた。





そして、またいつもみたいに目を細めて笑った、

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