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短編集2

第3章 万華鏡

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家出してから半年。最近は体が重い。
寒さにやられたかな?こんなところで立ち止まっている余裕はないのに。もっとおいしい料理を作らなきゃいけない。自立した生活を送らなきゃ。体だって丈夫にしないといけないのに。








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咳がとまらない。アルバイトを休むことが増えてしまった。料理を作りたいのに体が言うことを聞かない。ご飯も食べられなくて体重が減ってしまった。こんなんじゃまた深夜くんの理想から離れちゃうよ。
僕の体、ちゃんと言うこと聞いてよ.....







半年を過ぎた頃から増えた




つらい




という文字。







限界まで、一輝は自分の体を酷使していた。






俺の理想になるため、好きって言ってもらうために.......






涙が止まらない。今更気付いたって遅いのに。










『きょうはおかあさんたちいないからぼくがつくるね!!』



『一輝だいじょうぶなのか?』



『まかせてよ!!』






不器用なくせに、料理なんてしたことないくせに、ただ俺に食べてもらいたい一心で一輝はハンバーグを作ってくれた

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