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短編集2

第3章 万華鏡

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ついにずっと守ってきたものが壊れてしまった。深夜くんに嫌われてしまった。
深夜くんがいつか話していたタイプの子を聞いてから、料理頑張ろうって思ってたけど僕のダメなとこはそこだけじゃなかったみたい。確かに僕は料理もしたことないし、使用人がいないと何もできないなって深夜くんに言われて気づいた。それにこんな地味で冴えないやつ、深夜くんには釣り合わないよ。もっと自立したら好きって言ってくれる?料理上手になったらまた笑ってくれる?こういうところもうじうじしてるって嫌われたのかな。それでも僕は僕なりにこの小さい体で深夜くんへの気持ちを叫んでるんだよ。たとえそれが届かなくても。









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書き置きだけ残して、勝手に出てきてしまった。みんな怒ってるかな?それとも気にしてないかな?取り敢えず住む家だけは見つけた。バイトはこれから探して行くつもり。これも自立の一歩になるのかな?
料理も不器用ながらに頑張ってる。最近は体を丈夫にするために毎朝歩いてるんだ。いつかは運動神経抜群な深夜くんとぺちゃくちゃお喋りしながらランニングなんてしてみたいな。おいてかれちゃうかもだけど。







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アルバイトにも慣れてきた今日此の頃。飲食店でバイトして、優しい店長さんと店員さんと一緒に頑張ってます。料理を習いたいと言ったらみんな喜んで手伝ってくれた。本当に感謝の気持ちでいっぱい。それに料理もすごい上手でぼくなんかまだまだだって思い知らされた。こんなんじゃまだ深夜くんの理想とは程遠いな。

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