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短編集2

第3章 万華鏡

静かに戸を引く音がして、一輝の父親である高人さんが入ってくる。





「高人さっ.....!」




「深夜くん、来てくれたんだね。」






最近は滅多に見なくなった一輝の笑顔の面影が残る笑い方。




「ほんとうにっ、すいませんでしたっ!!!!!」






高人さんの前で深々と頭を下げる。





謝っても足りない、俺の言葉で一輝は生死をさまよったんだ。





しばらくの間沈黙がはしり、それをやぶったのは高人さんだった。







「君のせいではないよ。私達が深夜くんに甘えていた。君なら一輝の世話を見てくれると何処かで思っていた。君の恋愛は君だけのものなのに、口を出しすぎたね。深夜君の言うことはもっともだ。こちらこそすまなかったね。」




「そんなっ.....!!!」







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