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短編集2

第3章 万華鏡

「まだあんな小さい時の約束覚えてんのかよ.....」





「そ、それはっ.......」言葉に詰まったように顔を赤くする一輝を見て、こいつはまだ俺が好きなんだと悟る。







「お前といたのなんか、同情に決まってんだろ!男しか好きになれなくて、うじうじしてるから友達もいなくて、体よえーから遊ぶ相手もいなくてっお前が一人じゃ何もできないからって、俺はお前の世話が借りなんかじゃっ.....!!











パシンッ........












乾いた音の後に、俺の頬にじんわりと痛みと暑さが広がる。









「何てこというのっこの子はっ.....!!」







今まで怒った母さんはたくさんみてきた。










それでもこんなに泣きそうに肩を震わせる母さんは初めて見た。







「夏美さんっ.....!!!」







一輝がまだ俺を叩こうとする母さんをとめる。







「いいんです!!全部あってるからっ....!!僕が、昔の約束にすがりついて深夜くんを諦めきれないだけなんですっ......!!!」


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