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短編集2

第3章 万華鏡

「ちょっと、何よその言い方!こんなに心配してくれてるのに。」



「いいんです夏美さん!!」





母さんを抑えるように一輝が小さく叫ぶ。




「よくないわ!あんたのことこんなに心配してくれるのは一輝くんだけよ!ほんと一輝くんがお嫁さんにきてくれたらいーのに。よくわからない女の人に渡すより全然安心で.....




「いらねーって!!!」












俺の大きな怒鳴り声が空気を割いた。






なんでこんなにイラつくのかわからない。




ただの八つ当たりなのかもしれない、それでも俺の言葉は止まらなかった。







「きもいんだよ!!!いつもつきまとって、恋人でもねーのに俺の世話焼いて!!こんなやつ嫁にもらうなんて真っ平御免だね!」






止まらない、腹の中から何かドロドロしたものが溢れてくる。





「いつも冴えない格好して、オドオドして、そういうのすげーむかつく!俺のタイプはお前みたいなのとは正反対なんだよ!!
料理がうまくて、かわいくて、ちゃんと自分持ったしっかりした人で、自立しててっ」







「し、深夜くんっ......」






俺の口は、一輝が傷ついた顔をすればするほどどんどん開いた。





「お前、料理つくったことあるか?ねーだろ。自分で働いたことも掃除したことも家事したこともないだろーが。ちょっと優しくすればべたべたくっついてきて......」
















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