
神様の願い事
第3章 変化
智「それはそうと」
和「ん?」
智「相葉ちゃん。めっちゃコッチ見てるけど」
和「ああ...」
知ってる。ずっと見られてた。
和「いいよ、ほっといて」
智「冷たいな(笑)」
なんで入ってこないんだろう。
いつもなら迷わず入ってくるのに。
まあ、来られたって話がごちゃごちゃしてメンドクサイだけなんだけど。
智「相葉ちゃん? 何か困ってる?」
少し変な顔をして俺たちを見てたんだ。
雅「や、ちょっと振りがね…。難しくて」
智「だって。シンメでしょ? 教えてあげたら?」
和「え~...」
大野さんは俺にふるけど。
今のはとっさに出た誤魔化しの言葉だってわかってる。
和「どこ?」
雅「あ、うん。ここの」
そこは覚えたじゃん。
あんな必死でやってたから忘れる訳無いのに。
和「もう忘れたの?」
雅「あ、へへ...」
覚えてるくせに忘れたフリをして。
俺が離れるとなんだか変な顔をするようになった。
智「ね、ニノ」
和「ん? なあに?」
智「ここのラップ、リズムどうだっけ」
和「ああ、ここはね…」
ほらまた。
特に大野さんと話してるとおかしな顔をしてるかもしれない。
智「...っで、いいっけ?」
和「や、お経だよそれじゃ(笑)」
智「ひでえ(笑)」
和「ひどいのはそっちでしょ(笑)」
クスクスと笑い合ってると、不穏な視線を感じる。
智「相葉ちゃん、俺そんなひどい?」
リーダーですら気付いて声を掛けてる。
雅「や、だ、大丈夫だよ」
智「だよねえ?」
雅「そうだよ、ニノひどいなぁ~」
棒読みじゃん。
天然ってのはこれだから困る。
大野さんの頭の中も読めるようで読みきれないし、相葉さんだってそうなんだ。
ふだんは何を考えてるのかまるわかりなのに、たまにこうやって読めない表情をする。
どうせたいした事でも無いんだろうけど、なんだか不穏なその視線は、少しだけ俺を不安にさせるんだ。
