
神様の願い事
第2章 秘密
潤「あ、そう言えばさ。さっき編集長に会った」
和「へ? 来てるの?」
潤「うん。だからこの間はありがとうございましたって、挨拶しといた」
雅「え~、リーダー気を付けなきゃ駄目だよ?」
智「大丈夫だよ(笑)」
編集社に篭ってればいいものを、何故わざわざ来たんだ。
やっぱり智くん目当てなのか。
和「取り敢えず、大野さんは1人にならないで」
雅「そうだね」
潤「翔さん、俺ら3人これから行かなきゃだから、その間リーダー見といてよ」
智「ええ、いいよ。大丈夫だって」
雅「何があるかわかんないでしょ?」
潤「じゃ、頼んだよ?」
翔「うん、任せて」
大丈夫だと言う智くんをおいて、3人はとっとと着替えて出て行ってしまった。
智「も~、子供じゃないんだから...」
智くんは溜息を吐いてるけど、やっぱり俺も心配だし。
翔「言ったでしょ、心配くらいさせてって」
智「そうだけど...」
翔「ほら、次俺らだから、早く着替えよ」
少し不貞腐れてる智くんに着替えを促す。
軽くシャワーを浴びたばかりの智くんは、まだ髪も濡れてて雫がポタポタと落ちていた。
翔「ちゃんと拭かないと。着替えても濡れちゃうでしょ(笑)」
唇を尖らせて着替える智くんが愛くるしくて、思わず笑みを零しながら頭を拭いてやった。
翔「大して子供と変わらないよ(笑)」
智「子供扱いするな(笑)」
クスクスと笑い合いながら、着替えを進める。
その時ふと、タオルの隙間から見えた首筋。
翔「...ねえ、この痕」
智「ん...?」
その消えそうな痕を人差し指で突いて、智くんの顔を見た。
翔「どうしたの...?」
俺の指を目で追い、その痕を智くんは鏡に映す。
智「ああ、これ...?」
もしもこれが俺の知っている痕だとしたら。
これが、俺の付けた痕だとしたら。
智「これは...」
もしそうなら、あの智くんは夢じゃ無かった事になる。
本当の智くんを、抱いて眠った事になるんだ。
