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神様の願い事

第2章 秘密



雅「あ~っ、きつっ」

潤「ちょっと休憩しよう、休憩」


なにこの振り。ムズ過ぎる。

俺はアタフタしてるというのに、智くんは涼しそうな顔で軽やかに踊ってた。
踊る度に胸で跳ねるキラキラとしたその輝きに目を奪われながら踊っていたから、正直振りもまだちゃんと入ってない。

きっと相葉くんもアタフタしてるんだろう。
いつものコンビで居残りでもするか。


雅「で? ココは?」

和「だから...」


と思ったけど、相葉くんは既にニノに教えを乞うっていた。
そっか。今回は相葉くんはニノとシンメなんだ。

ちくしょう、俺だってやってやる。
ひとりでだって、練習くらい出来るんだ。


潤「ココでしょ? わかんないの」

翔「え?あ、うん」

潤「リーダー、ここどうやんだっけ? 俺の振りと違うからさ」

智「あ~」


隅っこで水をクピクピと飲んでいた智くんが、ぽてぽてと歩み寄って来る。


潤「よろしく」

智「ん」


松潤に水を渡して、その代わりに俺を受け取る。


智「どこ?」

翔「あ...、ここ、タタン、タン、タンだっけ?」

智「タタ、タン、タンだよ」


俺の覚束無い踊りを見て、智くんはスッと前に出た。
スッと出ると、気合いを入れる事も無く、自然と流れるように踊るんだ。


翔「あ~、そっか」


あまりに軽やかに踊るモンだから。
俺もスッと入れるなと思って。なのにさ。


翔「あ...? 間に合わねえ」

智「ふふっ」

翔「あれ? おっかしいな」

智「ココ、さ。前の流れを切らずに、こう...、ね?」


本当にしなやかで、流れに身を委ねるように軽やかで。


智「ん? どした?」

翔「や、見とれてた…」

智「ええ?(笑)」


羽根でも生えてるんじゃないだろうかという程にふわりと舞って。


和「いつも思うんだけどさ、それどうやって着地してるの?」

雅「足音聞こえないよね?」

潤「本当、猫みたいだな(笑)」


シュタッと音も無く着地を決める姿はまるで猫みたいで。


智「ふふっ、猫?」


涼しそうな顔をしているのに、その首筋には汗が光っている。


黒いシャツに映えるそのネックレスも、キラキラと光って。


俺は益々、この人から目を離せなくなるんだ。







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