テキストサイズ

神様の願い事

第9章 ねこのきもち

《sideA》



俺にはとっくにバレてるのに、翔ちゃんは口を閉ざした。
まだこの二人にはバレてないとでも思っているのか。


潤「どうして言ってくれないの?」

翔「や、だって...」

和「コレでしょ?」

翔「え」


翔ちゃんの上で転がって、とうとうお腹を広げて寝てしまっているリーダーをニノは指差した。


翔「あ、まさか相葉くんっ?」

雅「えっ、俺じゃないよ普通にバレてたってっ」


俺を疑った翔ちゃんが、こっちをギロッと見るんだ。


潤「わかり易かったよね?」

和「うん」


ウンウンと頷くニノを見て、翔ちゃんは肩を落とす。


雅「ね? 俺じゃないでしょ?」

翔「マジかよ...」


本当にバレてるつもりは無かったのか。
こんな翔ちゃんが、少し情けなくて好きだ。
これはリーダーも言ってた事。


和「なのになんでコイツは分かんないんだろぅねぇ」

「んにゃ…」

潤「単純なくせに頑固だからねえ」


ツンツンと膝に乗るリーダーを突ついても、むにゃむにゃと夢見心地で。


雅「お腹見せて寝るって事は、凄く安心出来る場所なんだね。翔ちゃんの膝」

翔「え...」

和「本当に好きなんだねぇ」

潤「ねぇ。しつこい程マーキングして、顔舐めて」

雅「背中向けて寝てたと思ったら、今度はお腹おっぴろげてるしね(笑)」

和「見てよ、この幸せそうな顔」


三人でリーダーを覗いていると、翔ちゃんもその顔を覗いてきて。


翔「本当だ...」

和「ね? 気持ちよさそうでしょ?」

翔「だけど」


でもまだ腑に落ちないみたいで。


翔「だからって、智くんは俺に対してそんな気持ちは持ってないと思うんだ」

潤「というと?」

翔「普通の、さ。仲間としての愛情みたいなものだと思うんだよ」

和「仲間として?」

翔「だから、浮いた話の無い俺を心配してるんだよ。きっと、そうだ...」


翔ちゃんて、こんなに思い込みの激しいタイプだったっけ。

なんだかリーダーの頑固が移っているな、そんな気がした。


和「カタブツだな」

翔「へ?」

潤「賢くてカタブツとか、一番タチ悪いな。ね?」

和「ウンウン」


いつも翔ちゃんを尊敬している松潤まであんな事を言い出す。

それ程に焦れったくて、イライラするんだと言う事を翔ちゃんに気付いて欲しいところだ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ