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神様の願い事

第9章 ねこのきもち

《sideM》



和「だからやっぱり“本当のシアワセ”ってやつだと思うんだけど」

潤「だよね。翔さん何か心当たりある?」


すっかり寝てしまったリーダーを動かす訳にもいかず、翔さんはリーダーを膝に乗せたまま話を始めていた。


翔「...智くんが言ってたのは、俺の事くらいかな」

雅「翔ちゃんの事?」


お? 何か展開があったのか?


翔「俺が幸せになると、智くんも幸せなんだって。“早く幸せ掴め”って言われた...」


そっちかよ、告白どうこうじゃないのか。


和「それって、翔さんの幸せを願ってるって事?」

雅「それがリーダーの“本当のシアワセ”なの?」

翔「て、智くんは言う」

潤「本当にそうなら、それって究極の愛だよね」

翔「え...?」


きっとその言葉に突き放されたように感じたんだろう。
翔さんは背を丸めてボソッと話した。


和「ほら、ドラマとかでよく見るじゃん。禁断の愛とか言うやつをしちゃって」

雅「あ~、一緒にはなれないけど、それならせめて相手の幸せを願うってやつだ」

和「それ」


何故だか自分の事となると鈍い翔さんにリーダーの愛を分かって欲しくて、俺達は翔さんにヒントを与えた。


翔「...究極の愛って、こんなソッポ向いて寝るかな」

潤「ん?」


翔さんの膝を見ると、リーダーは翔さんに背を向けて丸まって寝ていた。


雅「ああ、逆だよ」

翔「逆?」

雅「猫は警戒心の強い生き物だからね。こんなに背を向けて寝るってのは信頼してる証拠だよ。“俺の背後は任せた”ってとこかな」

和「へ~」

潤「知らないと分かんないけど、相葉さんの解説付きだとすげぇ分かるね(笑)」


自分が信頼されていると認識した翔さんは、愛おしそうにリーダーのまるい背を撫でて。


翔「でも、俺は智くんの期待に答えられそうに無いよ」

潤「...どうして?」

翔「だって、俺の好きな人は...」



そこで口を噤んだ翔さんは、キュッと小さく唇を噛んだ。




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