
神様の願い事
第7章 謎のオバケ
《sideO》
智「ふー...」
「またか」
智「え?」
「いや、違うな。溜息じゃなくて、緊張じゃったかの?」
あ、そういえば何の用事だったんだろ。
じいちゃんと話しててもラチがあかなくて。
それでじいちゃんの声がする鏡を睨みつけ風呂に入った。
温かい湯に浸かり、なんとなく気分も落ち着きリラックスしていたら微かにスマホの呼び出し音が聞こえて。
それで慌てて出てきたんだ。
智「緊張ってなんで」
「したじゃろ?」
その画面に表示された名前。
それを見た途端、折角のリラックスが一瞬にして無駄になった。
「ちょっと躊躇ってたのは、ドキッとしたからじゃろ?」
智「別にそんなんじゃ...」
当たってる。
じいちゃんの言う事は正解だ。
その光る名前を見ただけで、俺の心臓は飛び跳ねた。
「ほら。マタタビのせいじゃないと言うておろう」
確かに。只のスマホだし。
匂いなんてものは、これっぽっちもしないんだ。
智「...だとしたら、なんでこんなんなるんだよ」
少しキュッとして、ドキッとして。
智「俺がこんなになるの、知ってたの?」
嬉しいような、困るような。
その名前を見て、手に取って。
でも、なかなか通話のタップが出来なくて。
どうしたんだろう。なんの話だろう。
電話に出たら、何を話そう。
最初の一言目は、“もしもし”かな。“はい”の方がいいかな。
ちゃんと声出るかな。裏返ったら恥ずかしいな。
でも鳴ってるんだし、出なきゃ。
よし、一旦深呼吸しよう。
そんな事を、俺の少ない脳ミソで一瞬のうちに考えた。
智「なんで知ってんだよ…」
気付かないよう、誤魔化して過ごしてきたのに。
「...ワシのように、後悔はして欲しく無かったんじゃよ」
智「後悔...?」
今したよ。
気付かなきゃ良かったって、たった今思ったところだ。
「素直になっておけば、アイツも苦しまずに済んだのに... とか、な」
智「俺が、じいちゃんみたいになると思ってるの?」
「このまま誤魔化し続けたら少なくとも...」
じいちゃんは自分を俺に重ねているんだ。
だから俺が後悔しないようにと、世話を焼いているにすぎない。
だけど。
智「後悔なんて、する訳無いじゃん」
俺は、気付きたくなかったんだ。
智「ふー...」
「またか」
智「え?」
「いや、違うな。溜息じゃなくて、緊張じゃったかの?」
あ、そういえば何の用事だったんだろ。
じいちゃんと話しててもラチがあかなくて。
それでじいちゃんの声がする鏡を睨みつけ風呂に入った。
温かい湯に浸かり、なんとなく気分も落ち着きリラックスしていたら微かにスマホの呼び出し音が聞こえて。
それで慌てて出てきたんだ。
智「緊張ってなんで」
「したじゃろ?」
その画面に表示された名前。
それを見た途端、折角のリラックスが一瞬にして無駄になった。
「ちょっと躊躇ってたのは、ドキッとしたからじゃろ?」
智「別にそんなんじゃ...」
当たってる。
じいちゃんの言う事は正解だ。
その光る名前を見ただけで、俺の心臓は飛び跳ねた。
「ほら。マタタビのせいじゃないと言うておろう」
確かに。只のスマホだし。
匂いなんてものは、これっぽっちもしないんだ。
智「...だとしたら、なんでこんなんなるんだよ」
少しキュッとして、ドキッとして。
智「俺がこんなになるの、知ってたの?」
嬉しいような、困るような。
その名前を見て、手に取って。
でも、なかなか通話のタップが出来なくて。
どうしたんだろう。なんの話だろう。
電話に出たら、何を話そう。
最初の一言目は、“もしもし”かな。“はい”の方がいいかな。
ちゃんと声出るかな。裏返ったら恥ずかしいな。
でも鳴ってるんだし、出なきゃ。
よし、一旦深呼吸しよう。
そんな事を、俺の少ない脳ミソで一瞬のうちに考えた。
智「なんで知ってんだよ…」
気付かないよう、誤魔化して過ごしてきたのに。
「...ワシのように、後悔はして欲しく無かったんじゃよ」
智「後悔...?」
今したよ。
気付かなきゃ良かったって、たった今思ったところだ。
「素直になっておけば、アイツも苦しまずに済んだのに... とか、な」
智「俺が、じいちゃんみたいになると思ってるの?」
「このまま誤魔化し続けたら少なくとも...」
じいちゃんは自分を俺に重ねているんだ。
だから俺が後悔しないようにと、世話を焼いているにすぎない。
だけど。
智「後悔なんて、する訳無いじゃん」
俺は、気付きたくなかったんだ。
