テキストサイズ

神様の願い事

第4章 誤解

《sideO》



和「いや~、終わった終わった」

潤「お疲れ~」


駄目だ、思い出される。


雅「翔ちゃん、完璧だったね」

翔「相葉くんもね」


先日の夜が思い出されて、頭をぐるぐると駆け巡る。


和「着替えるの早いなっ(笑)」

潤「そんなに早く帰りたい?(笑) 何か用でもあるの?」

智「え? や、別に...」


まあ用事はあるけど。
それよりも、今は早く着替えなきゃ。


翔「ん...?」


やばい。翔くんがコッチを見てる。


翔「その跡...」


そんな目で見るな。
俺は何も知らないんだ。
何も知らないから普通に、普段通りに対応しなきゃならないのに、そんな目で見られると。


智「あっ、ああこれっ?」


ほら、声がひっくり返った。


翔「う、うん」

智「む、虫にやられたみたい...」


俺と翔くんの視線が交わる。
焦った俺は目を逸らせなくなって、すると翔くんは急に顔を赤くして目線を外した。


翔「そ、そっか、虫刺され...」

智「そっ、そうだよ」


全く挙動不審だ。
挙動不審は翔くんの特権なのに、俺まで移ってしまった。
翔くんの動揺でさえおかしいのに俺までこれじゃ。


潤「なに、2人...」

和「どうかした?」


ほらみろ。鋭い2人の視線が痛い。


智「いや何も」


落ち着け。落ち着くんだ俺。
そうだこっそり深呼吸をしよう。それで落ち着いて、普段通りに振る舞えばいいんだ。


翔「べ、別にっ」


だけど翔くんがアレじゃ。
そんなに真っ赤になるならどうしてあんな事。

あの夜を思い出さないようにしようとしても、翔くんの顔を見るとすぐに思い出されてしまうし。
その少しの動揺を鋭い2人は見逃さないし。


どうすんだよこれ。



俺がこんなに焦らなきゃならないのも、翔くんのせいなんだからな。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ