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神様の願い事

第3章 変化

《sideS》



翔「あっ」


どうしてあの2人がいるんだ。


翔「ちょちょ、だ、駄目だって」


いつも智くんしか映らないのに、どうしてあの2人が。


翔「さっ、智くんっ」


鏡に映った寝室には誰もいなくて。

でも絶対智くんが映る筈だからと俺は鏡とにらめっこしてたんだ。

するとそこに揺らめく影が漂って。

あ、やっぱりな。もうすぐ智くんがやってくるぞとワクワクした。

なのに。


翔「あぁっ、智くんがっ」


揺らめく影は、智くんだけじゃ無かった。

虚ろな目をした智くんを2人が運んで来たんだ。


翔「あ、あ...」


ドサッとベッドに落とされた智くんはその衝撃で我に返ったのか、ムクっと起き上がった。

だけどすぐに押し倒されて。


翔「そんなとこ触っちゃ駄目だって...」


ニヤリと笑う松潤は智くんをうつ伏せに組み伏せ、ケツをさわさわと撫でた。


翔「ほら、智くんが...」


身を捩って抵抗するも、ベッドの脇に突っ立ったニノは助けてくれないし。

それどころかニノもゆっくりと智くんに詰め寄り、いやらしい手つきで智くんの頭を撫でているんだ。


翔「智くん...」


虚ろな目をした智くんは、ぷるぷると震える手で松潤の腕を掴むんだ。

その薄く開いた唇からは甘い吐息が漏れていそうで。


翔「なんでこんな映像...」


とうとう目を瞑って脱力してしまった智くんを、俺は助ける事も出来ない。



只、冷たい鏡に張り付いて動揺するだけだった。







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