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神様の願い事

第3章 変化

《sideS》


だから結局なんだ。
避けられてるのか。


翔「鏡...」


あれから智くんに会ってないし、避けられてるんじゃないかと思うとどんどん深みにハマって行く。


翔「古くさい...や、アンティークなのかな」


だけど避けられる覚えなんて無いんだ。
芝居だとしても、熱いキスを交わしニコニコと笑ったのに。


翔「あのサイズなら、邪魔にならないか…」


気になる。


翔「や、でも。雰囲気的にちょっと浮くかな」


気になって仕方ないんだ。


翔「寝室なら...、イケるかも」


どうしてこんなに気になるんだあのジジイ。

俺が今悩んでいるのは智くんの事であって、鏡を買うかどうかじゃない。

なのに。


翔「今日も、いるかな」


鏡が、あのジジイが頭から離れないんだ。


翔「くっそ...」


どうしても気になる。

どうしても欲しいんだ。


翔「待ってろジジイっ!」


深夜まで働いて身体も疲れているというのに。


何故か俺は財布を握りしめて、一目散で夜の街を駆け抜けるハメになったんだ。



それもこれも、あの薄気味悪いジジイのせいだ。







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