
神様の願い事
第3章 変化
《sideO》
「人には言うくせに...」
智「なにを」
「自分の事となるとサッパリじゃのう」
智「だからなにが」
なんでこの鏡は喋るんだ。
姿なんて見えないのに、呆れた顔をしているのがよくわかる。
「最近寂しそうじゃの?」
智「へ?」
「気付いておらんのか? 溜息がよく出ておる」
溜息か。
言われてみれば確かに最近多いかもしれない。
でもそれは、急に猫になって呼び出される事にうんざりしているからであって、それ以外の理由なんて無い。
「自分の事に無頓着というか、無関心というか」
智「じいちゃん俺の事よく知らないでしょ。そんなのわかんないじゃん」
「わかるわ」
智「なんで」
「お主の性格など、ワシが一番よくわかっておる…」
智「はあ?」
そんな事を言う鏡のじいちゃんだって溜息を吐いてる。
「その性格なら難しいだろうなとは思っていたが、まさかこれ程鈍いとは」
智「なんで呆れてんの」
「ワシは情けないぞ」
智「ええ...」
どうしてそんなに呆れられなきゃならないのか。
このじいちゃんが何を言おうとしているのかもイマイチわからないし。
智「つか、睡眠時間減らされて困ってんだけど」
「ああそうじゃった。振り付け考えなきゃイカンのじゃったな」
智「...そんなのもわかるの?」
「当たり前じゃ」
どこで見てるんだこの鏡。
家になんてほぼいないのに、俺の溜息が増えてる事にも気付いてたし。
仕事の内容だって把握しているようだ。
「おっと呼ばれたぞ」
智「え、また...?」
嫌そうな顔を存分にしてやると、鏡は少し嬉しそうな声を出した。
「いや、お主じゃなくての。ワシじゃっ」
智「へ」
「アイツが、ワシを呼んでおる」
智「アイツ?」
「こうはしておれん。早く行かなきゃイカン」
お主はゆっくり休め、と一言残して鏡は黙ってしまった。
智「呼ばれた...?」
ひょっとすると、あのじいちゃんも俺のように誰かに呼ばれて出歩いているのかもしれない。
呼ばれた先で何をしているのかはわからないけど。
智「そんな事より、早く俺を戻せよ...」
嬉しそうな声を残して鏡は押し黙ったままだ。
また戻ってくるんだろうけど、とりあえず静かなうちに寝るとするか。
「人には言うくせに...」
智「なにを」
「自分の事となるとサッパリじゃのう」
智「だからなにが」
なんでこの鏡は喋るんだ。
姿なんて見えないのに、呆れた顔をしているのがよくわかる。
「最近寂しそうじゃの?」
智「へ?」
「気付いておらんのか? 溜息がよく出ておる」
溜息か。
言われてみれば確かに最近多いかもしれない。
でもそれは、急に猫になって呼び出される事にうんざりしているからであって、それ以外の理由なんて無い。
「自分の事に無頓着というか、無関心というか」
智「じいちゃん俺の事よく知らないでしょ。そんなのわかんないじゃん」
「わかるわ」
智「なんで」
「お主の性格など、ワシが一番よくわかっておる…」
智「はあ?」
そんな事を言う鏡のじいちゃんだって溜息を吐いてる。
「その性格なら難しいだろうなとは思っていたが、まさかこれ程鈍いとは」
智「なんで呆れてんの」
「ワシは情けないぞ」
智「ええ...」
どうしてそんなに呆れられなきゃならないのか。
このじいちゃんが何を言おうとしているのかもイマイチわからないし。
智「つか、睡眠時間減らされて困ってんだけど」
「ああそうじゃった。振り付け考えなきゃイカンのじゃったな」
智「...そんなのもわかるの?」
「当たり前じゃ」
どこで見てるんだこの鏡。
家になんてほぼいないのに、俺の溜息が増えてる事にも気付いてたし。
仕事の内容だって把握しているようだ。
「おっと呼ばれたぞ」
智「え、また...?」
嫌そうな顔を存分にしてやると、鏡は少し嬉しそうな声を出した。
「いや、お主じゃなくての。ワシじゃっ」
智「へ」
「アイツが、ワシを呼んでおる」
智「アイツ?」
「こうはしておれん。早く行かなきゃイカン」
お主はゆっくり休め、と一言残して鏡は黙ってしまった。
智「呼ばれた...?」
ひょっとすると、あのじいちゃんも俺のように誰かに呼ばれて出歩いているのかもしれない。
呼ばれた先で何をしているのかはわからないけど。
智「そんな事より、早く俺を戻せよ...」
嬉しそうな声を残して鏡は押し黙ったままだ。
また戻ってくるんだろうけど、とりあえず静かなうちに寝るとするか。
