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君と僕。

第9章 君と僕と罰ゲーム

「お待たせ致しました」

バイブの振動に耐えていると、注文した料理が目の前に差し出された。
あげたての海老、カボチャ、シソ、レンコンが乗った蕎麦はとても美味しそうで、かつおだしの香りが鼻をくすぐる。

「いただきます」

「!」

天ぷら蕎麦を食べている間は、一度もバイブが動くことは無かった。
刺激がなくなり、ヒクヒクと動いているのが自分でわかる。

それが妙に恥ずかしくて、熱い天ぷらを誤魔化すように頬張った。

最後の1本まで食べ終え、店を出る。

「じゃあ、公園まで行こうか」

「ほ、ほんとに公園行くんですか?」

「ご飯食べただけじゃ罰ゲームにはならないでしょ?」

いや、もう十二分の罰ゲームなんですけど。
しかし時雨さんは聞く耳を持たない。
スタスタと公園の方に歩いていってしまう。

「あっ...ちょ、だめ」

置いていかれまいと歩き出すと、急にまた中の玩具が動き出す。
しかもさっきとは違う動きだ。

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