今日も明日も
第60章 見えない鎖 part Ⅲ
こんな人が存在する事を初めて知った
こんなに優しい人が本当にいるなんて、信じられなかった
山の中で、汚い俺を助けてくれて
傷の手当てもしてくれて
ろくに食べられないのに、暖かいご飯を用意してくれて
ふかふかのお布団に寝かせてくれて
それなのに俺がまーくんに返せるものが何もないのが歯痒かった
与えられるだけじゃ、いつかまーくんは俺を見限る
嫌いになる
そうなりたくなくて、出来る事を探そうとするけど
本当に俺は何も出来ない
違う、俺にも出来る事がある
お兄ちゃんが “使える“ って喜んでた事
お金になる、って色んな人に俺を引き渡してた事
まーくんは、喜んでくれるかな
周りの人は喜んでたけど
これでまーくんが喜んでくれたら、少しは役に立てるかな
眠っているまーくんの、捲れ上がったシャツの中に顔を埋める
そして、教え込まれたままに舌を出して
まーくんの素肌を少しずつ舐めていった
暖かい、まーくんの肌が気持ちいい
知らない人にやるよりも、全然マシだ
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