今日も明日も
第22章 のんりある 旅行編
向かい合ったまま沈んだ体が、じんわりと暖まる
至近距離で見つめあってたら
相葉さんの手が頭の後ろに回って、タオルの結び目をほどいてくれた
口許が解放されたのに、言葉が出てこない
だって
声を出さないようにって言う、相葉さんの考えなのかもしれないけど
他にも方法はあるはず
あんな事初めてされたし
息がしにくくて苦しかったし
…そして、沸き上がる何とも言えない屈辱感
しかも相葉さん、絶対いつもより興奮してた
「かず…手、回してくれないの?」
相葉さんに跨がってはいるけど、両手は横にダランとしたままの俺に
唇が触れる距離で囁いてきた
「知らない」
キスしないようにそっぽを向く
「…怒ってる?」
「そう見えるならそうなんじゃない?」
そう言うと
グッと腰に回る手に、力が入った
「…声出ても良かった?」
ー俺は別に構わないけど?
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える