今日も明日も
第71章 アナタは誰のもの?
何かあったのかと聞きたいけれど
相葉さんは “運転、ありがとう。ごめんね“ と言ったきり黙ってしまって
酔っ払い相手にどうこう言っても無駄か、と俺も何も話すことなく
どことなく微妙な空気のまま、相葉さんのマンションまで車を走らせた
「あぶなっ」
車から降りた相葉さんの足がふらつく
慌てて腕を取って転倒を防ぎ、それを俺の肩に回した
相葉さんの方が身体が大きいから、支えるには無理があるけど
こうすれば意識はしっかりしてる相葉さんは、自分でも気を付けてくれる
本当、どうしちゃったの
こんな酔い方、滅多にしないのに
多少ふらつくものの、無事に玄関の中に押し込める事が出来た俺は
ようやく詰めていた息を吐くことが出来た
「ほら、靴脱げる?」
壁に寄り掛かって動こうとしない相葉さんの腕を叩く
「にのぉ…っ」
またもいきなり引っ張られ、相葉さんの胸に倒れ込む俺
こいつの突然は今に始まった事じゃないけど
油断してる時は力で敵う訳がなくて、毎回こうなってしまう
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