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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

 その場で手紙を開いて見た。


 1つは山本さんが書いたものだ。


 丸文字で、「気持ちは嬉しいけど、私には付き合ってる人がいます。ごめんなさい」みたいなことが書いてあった。


 いや、もっといろいろ書いてたはずだけど、ショックの方が強かった。


 もう1つの方を、見てみた。


「いつも、僕の手品を見てくれてありがとう。山本さんのことが好きになりました」て、感じのことが、買ったこともない乙女っぽい便箋2枚に書かれてあり、最後に僕の名前が、あった。


 こんなの、書いたことがない。


 悪質なイタズラだ。


 せめて、憧れだけでも抱かせてほしかった。


 訳のわからない、偽ラブレターのおかげで、勝手に失恋を受けた。


 あれ、僕じゃないと言いたかったが、それ以来、話しかけてくれなかったし、声をかけても無視された。


 マジックをやってても、近寄って見てもくれなかった。


 早く席替えしてくれ……気まずい。


 他の席で念力っぽいマジックを披露したんだ。買ったやつだけどね。そしたら友達が「その力で、学校破壊してくれ」みたいな冗談を言ったのよ。



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