テキストサイズ

奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

 山本さんから、放課後に呼び出されたんだ。


 終業式の前だったか、隣にいた山本さんが、スッと僕の手に、三角に折った紙切れを、見えないように握らせてくれた。



「えっ、なんだろう」


 ドキドキしながら、トイレで、広げて見た。


“放課後に理科室の裏にきて”


 ものすごいドキドキしてた。


 まさかまさか……。


 放課後まで、平常心を保つふり。


 その日は、マジックはしなかったと思う。


 そして、放課後……。


 僕は口の中カラカラで、理科室の裏まで行った。


 山本さんがいたんだ。


 ちなみに、山本さんは、今思えば、なんとなくの雰囲気が篠田麻里子風だったかな。


「えっと……なにかなぁ?」


 たぶん、僕は顔が真っ赤だったと思う。


 すると山本さんは「ごめんなさい、せっかく、これもらったのに……」と、2通の手紙を僕にくれたんだ。


「えっ?」


「でも、また手品を楽しみにしてるから、面白いのいっぱい見せてな」


 それだけ言うと、カバンを持って、去っていった。


 どういうこと?


 さっぱりわからない。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ