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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

 で、僕も調子のって自分の後ろにある窓ガラスを指差して「そうやねぇ、まず手始めにあのガラスを割ろうか」て、冗談で言ったんだ。


 その窓ガラスの下に、たまたま、山本さんがいたんだ。


 すごい怯えた顔して「え……やめて……」と言って、その場から退けて泣き出したんだ。


「え?」


「そんな……私いてるのに、割らんといてよ」


「えっ、違う違う、そんなん、出来るわけないやん」


「私がふったからって、そんなに恨まんといてよ」とさらに怖がって泣き出す。


 なんで、そうなるの?


 ガラスを念力で割って、自分にケガをさせると思ったようで……いや、手品だから。てか、出来ないから。


 魔法使いとごっちゃになってない?


 もう、踏んだり蹴ったり。


 僕が山本さんを泣かせたみたいになって。


 なにがどうなって、こうなったのか?


 その仕組みのシステムが知りたい。


 山本さんの中で、どんな精神状態のピタゴラスイッチが出来上がってんだ?



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