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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 考えてみればだよ。


 中学の頃の大会、最初のシャツを着るネタ、あれは笑いだったんだ。


 だからウケた。


 鳩が死んだ時。とっさにそれを拾って「生きてます」を演じたときも、客は大ウケだった。


 ラリ夫はそれに気付いてたんだよ。


 実は、この大会の前にもう1つエピソードがある。


 それが、友人の結婚式で、披露宴で僕がマジックを演じることになったんだ。


 他の結婚式披露宴の営業では、それなりのブライダルマジックを用意していたが、やはり友人となると、もう少し変わった出し物をしたいと思ったんだ。


 それの相談をしたのが、ラリ夫だ。


 すると「あえて、ロープ切りをやればいい」と言ったんだ。


 ちょっと、待てよ(木村拓哉風に)


 結婚式に切るとか別れるとかは、縁起悪いからダメだろ。


「だから、あえてやるんだよ。普通に切って戻すのじゃ、普通過ぎるから、釣糸を渡しにして、ロープを切れ。そして、“どれだけ離れていても、二人は見えない糸で繋がっているんです”と言って、本当に元に戻せばいい」


 これ、こう書いたらなんのこっちゃわからないだろうけど、切り方が複雑なロープ切りを、結婚式バージョンで言葉を入れて演じるってことよ。



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