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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 だが、当日これをやってドン引きされた。


 そう、ここは普通にやっては、ただの空気が読めないクソネタにしかならないのだ。


 自分の持ち味に笑いがあるってことに、まったく気が付いておらず、バシッと決める不思議なマジックを目指していたため、いつもなにか足りないと疑問を抱いていた。


 だがら、もっと練習すればいいとマジックの技術ばかりを追いかけていた。


 自分の中にある自然の持ち味を生かせることによって、それにマジックがついてくる。マジックについていくのではなく、マジックから身についてくるようにするってことだ。


 だから、その意味がわかった後に、結婚式披露宴の営業に呼ばれた時、同じネタをやったら、大ウケしたんだ。


 ラリ夫はいちびってやってるのではなく、本当にマジシャンだったんだ。


「玄武、お前、普段の会話で結構面白いこと言ったり、俺に突っ込んだりしてんじゃん。それをマジックでやればいい。それだけで、お前のカラーが生まれて、今までぎこちなかった芸がスムーズになってくるんだ。それを身につけてから、シリアスなことを目指せばいい。順番が逆なんだ」



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