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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 急いで楽屋に入って、ラリ夫を捕まえて「なにやってんだてめぇっ!!」とつかみかかった。


 せっかくの大トリのショーが台無しだ。


「待て、客の反応を見て、アカンと思ったんなら、殴ってくれ」とラリ夫は言う。


 客の反応の前に、なに無茶苦茶してくれてんだと。


 鍵は逆についてるし、わけのわからん力士が出てきて放り投げられるし、鎖を外してるところを客に見せてどうするんだっての。


 これから先、あるかないかわからない、最大のチャンス。なぜ、お前につぶされなきゃならん。


 ラリ夫とケンカになりかけて、参加者と力士に止められて……だから、この力士はなんなんだ!?


「大学の相撲部から集めてきた」


 なぜ、そこを力士にする!?


 打ち合わせにいた、体格のいい、あの兄ちゃんでよかっただろ。


「あいつらにさせても、なにも面白みないやろ」


 面白くしたいなら、最初から俺にも言ってくれっての。


 狼狽える姿を見せてなにが楽しいんだ?


 そこに会長が入ってきた。


「春坂くん(ラリ夫)、あなた、これ、どういうこと?」


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