テキストサイズ

奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 こいつ、絶対に悪いこと考えてるよ。


 そこは力士じゃなく、同じ衣装を着た、筋肉質の男性が僕を抱えて水槽に入れるんだよ。


 本来なら、水槽に入る役目を綺麗な女性がすれば、見た目にもよかったのだが、この当時、事務所には女性のマジシャンがいなかったから、まあまあの体格の男性がすることになり、僕が立候補した。


 それなりに、見た目よくしようと、散髪も美容室に行って、カラーもして、脱・3発蹴ったやくみつるを目指してきたのだが、ラリ夫がそこにいるってことは、また蹴りが入れられたわけだ。


 ラリ夫、演出変えたに違いない。


 誰か止めろよ!!


 力士数人に胴上げされたのち、足から入れられるはずだったのが、背中から落とされて。


 ラリ夫、なにを狙ってる!?


 僕に出来ること、このまま真面目に演技をするか、ラリ夫に付き合ってされたままにするか……。


 水の中に入って、上から蓋をされる。少し余裕があって、頭を上に向けると呼吸ができる。


 で、種明かしすると、小さな鍵が、右上にあるんだよ。


 それを幕がかかった瞬間に取って、手錠はすぐにはずせるが、足の鎖の鍵を外さないといけない。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ