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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 ステージの規模としては、僕が今まで出た会場では一番でかい。


 ついに、こんな大きな舞台でトリをとることが出来た。


 そんな紅白歌合戦的な喜びはまったく無く、ただ時間が来るまで苦痛。


 何度も水槽をチェック。


 細かい順序を言えば、最初に大きな水槽が出て、周りにはなにも無いことを示す。


 そこに水中メガネと、ウェットスーツを着た僕が現れる。


 手に手錠をはめられる


 足にも鎖を巻かれる。


 ごつい男に抱えられ、水槽に沈められる。


 水槽に蓋がされ、南京錠を何ヵ所かかけられ、鎖でグルグル巻きにされる。


 幕をかけられ、水槽の周りを確認。


 3つ数えたら、ピストルがパーン。


 幕を外したら、僕はいない。


 客席の後ろの台に僕がいるってやつやね。


「1回くらいリハーサルしてもよかったんじゃない?」


 リハーサル出来ない理由。


 会場全体が仕掛けともなるから、ここでしか出来ず、時間がないって事で……、まあアバウトな……。


 開場前から来てたけど、一緒にやるやつ誰も来ないし。


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